癒しの為の音声作品

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【耳かき・安眠導入】あやかし郷愁譚 ~雪御嬢 ゆき~【乾布摩擦】

【耳かき・安眠導入】あやかし郷愁譚 ~雪御嬢 ゆき~【乾布摩擦】

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ひととあやかしが共に暮らすことができる、最後の聖域。
四国、高知の山奥にある隠れ里。茂伸(ものべの)――

元の住処の人吉・球磨の市房山から新天地を求め茂伸に越してきた雪御嬢のゆきは、けれどもバス駅の日陰から、一歩も動けなくなってしまいます。
茂伸の――四国の陽射しはゆきにとっては余りに強く、その中に足を踏み出したなら、きっと溶かされてしまうからです。

行くも戻るもできなくなったゆきを助けてくれたのは、バスからおりてきた旅人の――あなた。

お礼に汗だくの体を拭いて冷やしてもらったあなたは、ゆきと一緒に車を借りてドライブをして、ゆきが暮らせる場所を探して、見つけます。

仮初の住処に定めた洞窟内で元気を取り戻したゆきは、ゆきに快適な気温に合わせ、すっかり冷えたあなたの体を乾布摩擦してあたためてくれます。

ここちよいぬくもりと、穏やかで丁寧なみみかきと。

こころの距離を縮めたあなたとゆきとの添い寝を彩る寝物語は、昔話と――これからのこと。

ひんやり冷たく、けれどぬくもる雪の指先と静かな声とに導かれ……どうぞゆるりと、癒やされ、おやすみいただけますと幸いです。

■あやかし紹介 ~ ゆき ~

「うふふっ、綺麗に取っとっと!
ほんでね? もひとつおまけに――
えと……おにいさん。
ちょこっとの間だけ――お首、たててくなっせ?

ん。そぎゃん感じで。
そーしたら――
ん……

……こん氷の櫛で、髪と頭皮ばなぜたげるけん。
ひんやりしてきもちよかーって、
犬神ちゃんにも、大評判なんよ?」

人吉・球磨の山中に住まうあやかしは、主に犬神――犬神憑きと雪御嬢。

夏に活発な活動を見せる犬神と、もちろん冬にアクティブになる雪御嬢とは、お互い不得意な季節に相手を支え合い、麓の村の人間たちとも含めたひとつの共同体を築いておりました。

しかし、長い時間がすぎて、人間たちが犬神の遠吠えも、冬の寒さも雪の厳しさも畏れなくなってくると――人吉・球磨のあやかしたちも、徐々に力を失いはじめます。

そこに届いた、茂伸からの移住の誘い。
お調子者の犬神はすぐに移住を決意して――
おいていかれれば行き詰まるのが目に見えているゆきもしぶしぶ、犬神への同行を了承します。

そうして茂伸にたどり着き――
テンションがあがりまくった犬神は、ゆきを置き去り、一直線に駆け出します。

……茂伸の陽射しの中に足止めされたゆきを助けたあなたとゆきの、おたがいを溶かしあい、あたためあう小さな恋のお話。


トラックリスト

合計 2:32:33

1.ゆきの自己紹介 8:18
「え? あ――ほーんと。
こぎゃんとこにベンチばあったとね。
ほんなら――よいしょっ」

「ね? おにいさんもおとなり座って?
おにいさんの影ばできれば、ゆき、よーけに楽になれるけん」


2.タイトルコールとこの音源の楽しみ方 7:13
「こんボイスコンテンツば、あなたの疲れをひんやり癒やし、こころを鎮め、体を休め、おだやかな眠りに落ちていただく――
そんお手伝いばすることを目的とした、バイノーラル安眠ボイスドラマです」


3.バス停のゆき(体拭き) 32:56
「おにいさん。えへへ――。
ありがと。まっこと、ありがとぉねぇ」

「あんな? うちね……ものべののカミさまにお手紙で呼び出されてな?
ここまで来たはよかったばってん――」

「一緒にきとった犬神(いんがめ)ちゃんにな?
こぎゃんバス駅におきざりにされて……」


4.ゆきとクールドライブ(乾布摩擦) 25:36
「ほんなら、まずはこするけんねぇ。
<タオル擦>――んっ――
<タオル擦>……ん――
<タオル擦>……(呼吸音)」

「ん――<タオル擦>――
どぎゃんと? おにいさん――<タオル擦>
タオル、二重にしてあるけん――<タオル擦>
ゆきのひんやりば伝わらないで――あ!」

「えへへっ――あったまってるならよかったとー。
ほんなら、もーっとすりすりするけん――
ん、っしょっと」


5.ゆきの耳掃除(左耳) 21:44
「そしたら……そしたら!
耳かきばして、最後の仕上げに、ちりがみでごしごしって、するんでどぎゃん?」

「ん。わかった。
ほんなら、ね? 今度は竹の耳かきで――ふふっ」

「まずは、浅かところから~<耳かき音>――
こりこりって――<耳かき音>――
かりかりって――<耳かき音>――
どぉお、おにいさん? きもちよかでしょー」


6.ゆきの耳掃除(右耳) 23:51
「おにーさんは、ん――<耳かき音>――
市房山(いちふさやま)ば、しっとーと?――<耳かき音>――
市房山ば、九州熊本、人吉・球磨で、いっとう高くて――
綺麗なお山――<耳かき音>――」

「麓ばたどれば、温泉と、おいしかお米と焼酎と――<耳かき音>――
あとはーーああそう! 子守唄――<耳かき音>――
市房山からはすこぉし離れとるばってん――<耳かき音>――
五木村(いつきむら)の、五木の子守唄ば有名よねー」

「え? 『どんな歌だっけ』って……<耳かき音>――
んん……ゆき、あんまり歌ば上手じゃなかけど」


7.ゆきの添い寝(安眠導入)27:19
「一緒に寝ると……はううっ――おかお、近かとねぇ。
近くて……近くて……ううっ――
ゆき、こぎゃんすずしかとこなのに、かけぶとんもかけとらんのに――((呼吸音))」

「あぅ~……ん……おかお、あつぅて――
なんだかあつぅて――とろけそお――え?」

「あ! そぎゃんとね。
おたがい、上ば、天井みれば、ちかくにおっても、
お顔とお顔は、ちかづかんもんねぇ」

 

 

クレジット

ゆき:鈴谷まや 
イラスト・キャラクターデザイン:cura 
シナリオ:進行豹 
収録:明神下スタジオ
編集:新井健史 
制作:Whisp

 

ファイル形式/内容物

WAV:96kHz / 32Bit ハイレゾ音質
MP3:44.1kHz / 320kbps
高解像度イラスト&テキスト同梱